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慶應に薬学部誕生 [ちょっと評論家気取り]

慶應義塾大学が共立薬科大学を吸収合併に向けて合意、新たに慶應の薬学部ができることになるというニュースを聞いて、ちょっと驚きました。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/28413/

お互いの大学にとってメリットが大きいと思うので、なかなか上手くやったなぁと思いました。薬学部が今年度から六年制となった新時代に、研究と臨床(薬剤師養成)の両部門ともに強い薬学部として、日本の薬学部トップを本気で狙っていると思います。

少子化で大学の生き残りが厳しい時代、合併というと生き残りのための苦肉の策という感が否めない例が大多数である気がしますが、かように積極的で戦略的な大学の合併は特筆ものではないでしょうか。

ちなみに、病院で働く医療職の様々な仕事のうち、医師がほかの職種の人の代わりに行った場合、例えば放射線技師の仕事を医師がやることは適法です。「ナースのお仕事」を医師が代わりにやったとしても、形式的に違法になるものは何もありません。

「形式的に」と言ったのは、実質的には看護特有の仕事を医者がやろうとしても、役に立たないし使えないのは間違いないので、それを分かっているのにしゃしゃり出て、「センセイいったい何するんですか、いい加減にして下さい」なんてことをやった結果、患者に不利益が生じたら、法的な責任は生じるということです。

ところが唯一、医師が代わりに行うと原則として違法となってしまう仕事が、薬剤師の「調剤」なのです。もちろん薬剤師は、医師の処方箋がないと調剤できませんが、医師は、調剤することが例外的に許されている場合(現実にはそれが適用される場面は多いですが)を除き、調剤を行ってはいけないのです。

つまり薬剤師は、プロフェッショナルとしての独立性が法的にも認められている職種であり、だから薬剤師になるためには医師と同じ6年間大学で勉強して下さい、ということになったのです。

その割に、社会的認知度や給与水準、それから正直言うと実際の平均的な薬剤師の専門知識のレベルは、法的に認められた高度なプロフェッショナルとしての地位に比べてあまり高くなかったのが現実です。しかし、これからの将来は、薬剤師の医療における重要性と活躍の場は拡大して行くのは間違いありません。それに従い社会的地位、給与水準も上がっていくでしょう。

このような将来を展望した上で、慶應と共立薬科大は戦略的に、日本の薬学研究、薬剤師養成をリードしようということなのでしょう。従来の医学部の閉鎖的なあり方を改革しようと手腕を発揮している池田康夫医学部長の意向も、おそらく強く入っているものと想像しています。


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コメント 4

みふぁら

最初このニュースを見たとき、正直「えっ?」と思いました。
でも、看護短大を4年制の学部に変えてうまくいっているようだし、
薬学部も用意することは医学の発展に貢献できる大学になって
良いのでしょうね。
今朝のテレビでは、共立薬科の人は自分の大学の名前が消えることが
嫌だと思っている人が多いと言っていました。
これから入学する人はともかく、卒業生や現役の人は複雑なのかもしれませんね。
by みふぁら (2006-11-21 17:52) 

かなかな

池田康夫医学部長とは、あの血液内科の教授の池田先生のことですよね?
確かに外来に行くと、「池田教授の移動に伴い、外来の担当医師が変更になります。」という紙がはってあるのですが、そこまでえらくなっちゃってたとは!
彼のおかげで慶應病院で診てもらえることになったので、とても感謝している方です。
今回の話には、そういう展望があったのですね。知りませんでした。
池田先生がからんでいると聞き、なんだか親近感がわいてしまいました。
by かなかな (2006-11-21 22:09) 

あめちん

確かに共立薬科大という名前に同窓生は愛着を持っているでしょうから、今の共立薬大関係者の心情としては複雑な部分もあるでしょうね。

その複雑な部分が「癒やされやすい」合併相手として慶應ってベストだよなと思うところが、今回の合併は上手いと感じるところなのですよ。

慶應との合併は間違いなく入試難易度は上げる方向で作用すると思うので、卒業生や現役生は、その意味ではラッキーなんじゃない。

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池田先生がからんでいるんじゃないかなぁって、僕の勝手な想像なんですけどね。

今回の合併に関して医学部長が蚊帳の外ってことはあり得ないし、池田先生が反対したけど三田で決めた、なんてこともないだろうって思うから。

共立薬科大のキャンパスは芝にあるのですね。三田にも近くていい感じですね。
by あめちん (2006-11-21 23:13) 

かじかじ

共立薬大(芝公園)は立地条件もあり、授業やら実習やらで今まではもう一つの伝統校である慈恵(御成門)との関連が比較的強かったのですが(教授も何人か慈恵出身)、慶應本部の三田にも近い事もあり、また看護学部の時の反省からか(と言うか反省材料があるのかないのかも知りませんが)時間を金で買う戦略に出たのでしょうね。今後は大学も買収だの合併だのパックマンディフェンスだの、あるいは選択と集中で孤高を維持するだの、いろいろな試みが行われていくのでしょうかね。
ただ、共立薬大はそのつい最近まで女子大だったという歴史もあり、薬学研究というよりは純粋な薬剤師養成が特徴だった印象ですし、慶應の生命科学研究は三田というよりは日吉(矢上)が中心ですので、薬学部を今後どういう位置づけにするのかは興味のあるところです。
by かじかじ (2006-11-22 03:07) 

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